2017.9.12
5月1日。京都に行ってきました。
いしいしんじさんと、誠光社・堀部さんを訪ねて。
ブルックリンのジョナス&セバスチャン・メカスをボニー・エリオットと訪ねたムービーを見てもらいに。
そして先日のライブの、トレーシングペーパーの「本」にサインをもらいに。
ジョナスからのビデオメッセージを聴く、いしいさん。
そのまなざしが、フィルムを見ているときのジョナスの目とだぶって見えて、
なんだかそれだけで、ああ、よかったな、と思いました。
時間も、場所も、離れたところにいる友人と、笑いあう。
みんなで「カンパイ!」
このあと、いしいさんと堀部さんに、ジョナスへのメッセージをもらいました。
ノリノリのいしいさん。ジョナスに投げキスしてました(笑)。
メッセージはジョナスにDVDにして送りました。
堀部さんからもメッセージ。
「1970年代から、日本の書店は、メカスさんの日記を売り続けています。
まだまだ売り続けますんで、よろしくお願いします」
いしいさんが、5月1日の「ごはん日記」に、その時の様子を書いてくれています。
うれしいなぁ。
2017.6.18
3月12日(日)に、京都の書店、誠光社で行った映画×その場小説のライブイベント。
遅くなりましたが、そのレポートです。
ジョナス・メカスは『リトアニアへの旅の追憶』(1971-1972)などの作品で知られる映像作家・詩人です。
今回は、2012年の新作『幸せな人生からの拾遺集(Outtakes from the life of a happy man)』の上映とあわせて、いしいしんじが「その場小説」を執筆。
その小説を、ブルックリンに住むボニー・エリオットが「その場翻訳」するというライブ。
企画・撮影をRocca Spieleの岡本零が担当しました。
トレーシングペーパーを重ねて吊るし、ジョナスの映画を後方のプロジェクターから投影。
前方のプロジェクターから、いしいさんの「その場小説」を上部に、ボニーの「その場翻訳」を下部に投影します。
「ボニー、きこえてる?」
「透明な字で書いているの?」
しばらく時間をおいて、ニューヨークから文字がやってきます。
「Bonnie, can you hear?」
「Are you writing with invisible ink?」
そして、物語がはじまりました。
ジョナスの映画の光をあびながら、小説を書くいしいさん。
イベント前に映画を見ることはしませんでした。
この場、この時に、物語がつむがれていきます。
物語は、ぶらんこに乗るこどものシーンと重なって始まりました。
いしいさんの小説「ぶらんこ乗り」が頭によぎります。
「ジョナス」という名前の犬が登場。
自分の名前も忘れてしまった物語の語り手が飼っていた、愛犬です。
ジョナスの家にはいつもネコがいます。
小説にも、不思議な力を持つネコ「ムーンブーツ」が登場しました。
映画のタイトルにある「Outtakes」は、使われなかったカット、を意味します。家族や友人。ニューヨークの街の人たちや、動物たち。水、木、海、空。
これまでのジョナスの映画で、カットされた断片がつなぎあわされて、明滅するように通り過ぎていきます。
そこに、適切な文章を考えているのか止まったり、漢字やカタカナを変換したり、打ち間違いを修正したり、行ったり戻ったりするいしいさんの文章。
ボニーの英語が、これも行きつ戻りつしながら、ついていきます。
京都、神戸、東京、札幌・・・。いろんな場所から集まってくれた友人たち。
「人間も波、馬も波、おとなもこどもも波」
ちょうど、満月の夜でした。
映画のなかにも、満月が。小説にも、月がのぼります。
「光のないところでみれば、月はいつだって満月なんだぜ。」
ふたつの波が重なり、小さなさざ波が生まれ、
大きくなった波が小さなさざ波に戻っていきます。
この「映画×その場小説×その場翻訳」ライブに続けて、ジョナスの映画『幸せな人生からの拾遺集』を最初から上映しました。
京都とニューヨーク、映画と小説、日本語と英語、そして様々な記憶が重なって波うつ、特別な時間になりました。
2017.3.8
3/12(日)PM8:00〜 京都・誠光社で、映画×小説のスペシャルライブを実施!
ブルックリンに暮らすジョナス・メカス。京都に暮らす、いしいしんじ。
1922年生まれの映像作家と、1966年生まれの小説家。
3月の夜、ふたりの「かけら」が混じり合います。
ジョナス・メカスは『リトアニアへの旅の追憶』(1971-1972)などの作品で知られる映像作家・詩人です。
ナチスに故国を追われた彼は、たどりついたニューヨークで16ミリのぜんまい式カメラを手に入れ、日常の風景を撮りはじめました。
「アンダーグラウンド・シネマの父」とも言われるメカスは、95歳になる現在も映画を撮り続け、自身のホームページに作品をアップし続けています。
今回は、2012年の新作『幸せな人生からの拾遺集(Outtakes from the life of a happy man)』の上映とあわせて、いしいしんじが「その場小説」を執筆。
その場小説は、ブルックリンに住むボニー・エリオットが「その場翻訳」します。
時と時、空間と空間、夜と朝をつなぐスペシャルライブ。ご期待ください。
【誠光社】
http://www.seikosha-books.com/event/2097
【当日、YouTube Liveで配信予定!】
https://youtu.be/zZqHLMitznA
ディレクション/岡本零(Rocca Spiele)
2016.10.30
9月25日。山形スゴロックのゲーム大会を終えたトゥルーリは、山形ビエンナーレの主会場、文翔館にやってきました。
かつては山形県庁舎だった、という雰囲気のある建物。
荒井良二さんの展示。神さまたちがお祭りしています。
ミロマチコさんの展示。おおきな動物たちが、物語の車をひいています。
中庭には、おおぜいの人が集まっていました。
いしいしんじさんと荒井良二さんの「その場小説」。おおきな本に、「その場」で、いしいさんが文を。荒井さんが表紙の絵を、かいていきます。
野村誠さんが、ピアニカを吹きながら走り回って、音をふりまいていました。
途中、川村亘平斎さんも加わって、
トゥルーリは、野村さんの楽器のバチを何やら組み立てはじめました。
9月の山形の青空の下。
新しい物語がつむがれていきます。
ふしぎですてきな人たちが集まる山形ビエンナーレ。
また2年後が楽しみです。