2013.3.17
伊坂幸太郎さん×大塚いちおさん×トゥルーリ・オカモチェクで、フリーペーパーを作りました。
3人が大好きなバンド=アナログフィッシュの、ベストアルバムの選曲を考える、というもの。
彼らのニューアルバム「NEWCLEAR」(名盤!)の発売にあわせ、CDジャケットサイズで制作。
ポップでキャッチーなアナログフィッシュA面ベストと、私的思い入れで選ぶB面ベストを3人が語る内容になっています。
裏側は大塚さんによるポスター。
大塚さんのホームページでジャケットアートをDLできます。
http://ichiootsuka.com/ichionews/3640
現在仙台の書店では「あゆみブックス仙台一番町店」「ジュンク堂仙台ロフト店」に置いていただいています(伊坂さんハンドデリバリー(笑))。
また3月22日頃から、下記の場所で順次配布予定。
各店であまり数がないので、興味がある方はお早めに。。。
<ライブ会場>
3/29(金)千葉ルック:アナログヒント ライヴ会場
3/31(日)横浜CLUB LIZARD
4/5(金)神戸VARIT
<ヴィレッジヴァンガード>
下北沢店
<TOWER RECORDS>
札幌ピヴォ店 苫小牧店
タワーミニ アリオ松本店 郡山店
盛岡店 仙台パルコ店
浦和店 吉祥寺店
秋葉原店 渋谷店
新宿店 池袋店
町田店 横浜モアーズ店
千葉店 津田沼店
柏店 静岡店
大高店 名古屋パルコ店
名古屋近鉄パッセ店 鈴鹿店
金沢フォーラス店 新潟店
京都店 難波店
梅田NU茶屋町店 梅田大阪マルビル店
北花田店 あべのHoop店
神戸店 明石店
広島店 福岡店
香椎浜店 長崎店
2011.10.25
伊坂さんの新刊『モダンタイムス』とアナログフィッシュのニューアルバム『荒野/On the Wild Side』が出た。
モダンタイムスは「実家に忘れてきました。何を? 勇気を」という書き出しで始まり、荒野は「失う用意はある? それともほうっておく勇気はあるのかい」と歌う「PHASE」で始まる。
アナログフィッシュ「PHASE」/YouTube
どちらも震災前に作られた作品だけれど、「検索」や「検閲」や「システム」や「ルール」や「戦争」や「真実」をめぐる戸惑いや怒りや思考が、たぶん作られた時に持っていた以上の意味を持ちながらせまってくる。
10/10にあった野音でのライブで、下岡くんはこんなことを言っていた。
「テレビを見たりとかしていると、自分たちも加害者なんじゃないかとか思えてきて、何も言っちゃいけないような気がしてきたりすることもあると思うんだけど、そんなことはないはず」だって。やみくもに「がんばろう」とか言うのではなく、なかなか言葉にできないけれど大切なことをすくいとるようなMCであり、ライブで、すばらしかった。
お互いの仕事を尊敬しあっている伊坂幸太郎&アナログフィッシュの作品は、
共鳴しあっているような気がする。
モダンタイムスの中で、「井坂好太郎」はこう言う。
「いいか、小説ってのは、大勢の人間の背中をわーっと押して、動かすようなものじゃねえんだよ。音楽みてえに、集まったみんなを熱狂させてな、さてそら、みんなで何かをやろうぜ、なんてことはできねえんだ。役割が違う。小説はな、一人一人の人間の身体に沁みていくだけだ」
「沁みていく? 何がどこに」
「読んだ奴のどこか、だろ。じわっと沁みていくんだよ。人を動かすわけじゃない。ただ、沁みて、溶ける」
なんだろう。
アナログフィッシュの音楽は、大勢の人間の背中をわーっと押すというより、一人一人の身体のどこかに沁みて、溶けるもののような気もする。
『モダンタイムス』も『荒野』も、ゆっくり沁みて溶ける勇気をくれる気がするのです。