2017.06.18

posted by Rocca Spiele
ジョナス・メカス×いしいしんじ@京都・誠光社 その場小説レポート

3月12日(日)に、京都の書店、誠光社で行った映画×その場小説のライブイベント。遅くなりましたが、そのレポートです。


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ジョナス・メカスは『リトアニアへの旅の追憶』(1971-1972)などの作品で知られる映像作家・詩人です。今回は、2012年の新作『幸せな人生からの拾遺集(Outtakes from the life of a happy man)』の上映とあわせて、いしいしんじが「その場小説」を執筆。その小説を、ブルックリンに住むボニー・エリオットが「その場翻訳」するというライブ。

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企画・撮影をRocca Spieleの岡本零が担当しました。トレーシングペーパーを重ねて吊るし、ジョナスの映画を後方のプロジェクターから投影。前方のプロジェクターから、いしいさんの「その場小説」を上部に、ボニーの「その場翻訳」を下部に投影します。

「ボニー、きこえてる?」
「透明な字で書いているの?」

しばらく時間をおいて、ニューヨークから文字がやってきます。

「Bonnie, can you hear?」
「Are you writing with invisible ink?」

そして、物語がはじまりました。

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ジョナスの映画の光をあびながら、小説を書くいしいさん。
イベント前に映画を見ることはしませんでした。この場、この時に、物語がつむがれていきます。

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物語は、ぶらんこに乗るこどものシーンと重なって始まりました。
いしいさんの小説「ぶらんこ乗り」が頭によぎります。

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「ジョナス」という名前の犬が登場。
自分の名前も忘れてしまった物語の語り手が飼っていた、愛犬です。



ジョナスの家にはいつもネコがいます。小説にも、不思議な力を持つネコ「ムーンブーツ」が登場しました。

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映画のタイトルにある「Outtakes」は、使われなかったカット、を意味します。家族や友人。ニューヨークの街の人たちや、動物たち。水、木、海、空。これまでのジョナスの映画で、カットされた断片がつなぎあわされて、明滅するように通り過ぎていきます。

そこに、適切な文章を考えているのか止まったり、漢字やカタカナを変換したり、打ち間違いを修正したり、行ったり戻ったりするいしいさんの文章。ボニーの英語が、これも行きつ戻りつしながら、ついていきます。

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京都、神戸、東京、札幌・・・。いろんな場所から集まってくれた友人たち。

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「人間も波、馬も波、おとなもこどもも波」

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ちょうど、満月の夜でした。
映画のなかにも、満月が。小説にも、月がのぼります。

「光のないところでみれば、月はいつだって満月なんだぜ。」

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ふたつの波が重なり、小さなさざ波が生まれ、
大きくなった波が小さなさざ波に戻っていきます。

この「映画×その場小説×その場翻訳」ライブに続けて、ジョナスの映画『幸せな人生からの拾遺集』を最初から上映しました。

京都とニューヨーク、映画と小説、日本語と英語、そして様々な記憶が重なって波うつ、特別な時間になりました。





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